今年読んだ本のこと

本をたくさん読んだ年だった。
そりゃあもう、中学に比べたら全然読んでないけれど。それでも多忙を極めた大学生活の中ではいちばん本をたくさん読んだ年で、だからこそ恵まれた年だったなあと思うことができている。

今年は就職活動であちこち移動することが多かった。私は家で本を読めない人間なので、移動時間と読書時間の長さは比例する。友人に薦めてもらう機会も多かったし(なぜか旧友にはミス研の者が多い)、新刊やお金にも恵まれた。これまでの大学生活とは違う方向だけれど、充実しておりました。

そして今年は面白い本にたくさん出会えた。
引きが強かった、というより、自分の中にある「面白い」と思える引き出しが増えたような感覚。それは今まであまり感じ得なかったもので、嬉しく思う。読書メーターやインスタで感想を残すようになって、漠然とした気持ちを言葉に残せるようになったからかな。

そんなわけなので、今年面白いと思えた本を記録しておこうと思います。
感想は読書メーターに書いているし、それを読んでいた時の状況など、少し個人的なことを残しておこうかな、と。

順番は読んだ順です。

 

その可能性はすでに考えた (講談社文庫)

その可能性はすでに考えた (講談社文庫)

 

 今年初めて出会った作家さん。文庫落ちを待ってから読んだけど、続編は待てなくてノベルスですぐ読んでしまった。(今はもう続編も文庫になっています)
小説だけど少年ジャンプのような世界観で、こんな表現もあるんやなあ、ここまで振り切っていると違和感を抱く暇なく楽しんで読んじゃうよなあ、とにやにやしてしまった。小畑健がコミカライズしたら絶対小・中学生もハマると思うんだけどな。肝心の事件内容がヤバいか。

 

翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)

翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)

 

 今年はなんといっても個人的な麻耶雄嵩ブーム年だった。
えらそうはことは言えないけれど、これをミステリ読み始めの頃に読んでいたら動揺したと思う。いやあ、今年読んでも動揺したけれど。他を知って読むのと、一発目にこれを読むのとで全然感触が違うのでは。そういう本があると知れたこと、「勉強して出直して来ます!」と思える本に出会えたことがいい経験だった。
しかしながら、この先生の本は一冊読むごとに精神的疲弊がすごいです。「夏と冬の奏鳴曲」を読んだときは一週間くらい他の本が読めなくなってしまった。そうした経験ができたことも、内心すこし嬉しかった。

 

人形館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

人形館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

 

 私は館シリーズをめちゃめちゃ少しずつ読んでいて、それはそれはもうマニアの人にぶん殴られるんじゃないかというくらい読んでいなくて、今年ようやく四作目です。読み終わったら、終わってしまうのが寂しくないですか?
ストーリーと全然関係ないことを言うと、舞台がめちゃめちゃ大学近辺で、読みながら「これはあのあたりかな?」と想像してページをめくるのが楽しかった。北白川のあの鈍い色合いとストーリーの雰囲気が個人的にはすごく合っていると思ったし、読み終わった後想像した場所に実際行ってみた(色々考えて憂鬱になっちゃってすぐ学校行った)。

 

止まりだしたら走らない

止まりだしたら走らない

 

 たまに「これは自分のことを書いている」と思える本に出会うことがあって、私にとってほむらさんのエッセイなんかがそうなんですけど、この本もそれだった。よかったな〜。感想は全部読書メーターに書いているので割愛するけど、この本を読んで改めてこの人はすごい人だと思えたのでガンヒのロゴを引用RTしてもらえたときは家の床で転がりまわってしまった。インターネットってすごいですね。

 

日本探偵小説全集〈6〉小栗虫太郎集 (創元推理文庫)

日本探偵小説全集〈6〉小栗虫太郎集 (創元推理文庫)

 

 涙香迷宮 を友達に貸したとき、「黒死館もこんな感じやで」と借りた本。
いやあ、すごい本だった。書いてあることの意味がわからない……。ハチャメチャに頭のいい人同士の会話をずーっと聞かされているような感じ。私はそういう状況があまり苦ではなく、わからなすぎて笑ってしまうタイプなのでなんとか完走できた。
読みながら思い出したのが、翼ある闇が黒死館のオマージュ作品だ、と言われていること。物語の節々からそれを感じ取ることができてニヤニヤしていた。

 

カンガルー日和 (講談社文庫)

カンガルー日和 (講談社文庫)

 

 今年はなんと村上春樹を読んだ。これは自分にとってはすごいこと。読まず嫌いとまではいかないけれど、なんとなく違う世界線のような気がしていたので。
ところがそれは全くの勘違いで、読んでいる間ずっと良い時間を過ごせた。物語が素敵なのはもちろんなんだけど、その物語が引き金になって自分の記憶を掘り起こして眺める時間もよかった。
「スパゲティーの年に」を読んだとき、自分がどうしようもなく落ち込んでいたときマフィンをいっぱい焼いたことを思い出した。あれから二年経つ。もうだいぶ元気になった。

 

熱帯

熱帯

 

読書体験とはなんなのか、改めて考えた。
本のストーリーが持つ面白さを楽しむことが一番だけど、自分が持っている経験と混ざり合っていくことで本の味わいは変化していくのではなかろうか。この作品は特にそうで、京都が舞台(しかもまた学校の近く)なので自分も登場人物と一緒に熱帯を追いかけているような気持ちになった。面白い。本も面白いんだけど、この本を読む行為が面白かった。
直木賞にノミネートされているらしい。本・読書について考える時間をくれるこの作品、そして私が書店バイトとして最後に立ち会う直木賞、絶対に賞を獲ってほしい。みんな読んで〜〜〜!!!!!

 

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今年、68冊の本を読みました。雑誌や漫画を入れるともっと増えるはず。
12月は卒制が大詰めで全然読めなかった。
来年はもっと読みたい。読みたいけれど読めていない本が山ほどあるので、それを少しずつ読んでいきたいです。
あ、あとずっともったいなくて封を開けられていない十角館の愛蔵版を開けないです。いつ開けよう……。