課題で書いたもの①

「キャリア国語」というイカニモな授業を履修していまして、まあ文字通り就職試験で出るような作文を延々と書く授業なんです。
テーマがテーマなだけに自分の身を削る勢いでゴリゴリ書いてしまいましたので、載せます。

テーマは「わたしの宝物」。400字程度という制約つき。

  「万年筆は使い続けないとすぐに不調を来たすのですよ」——その一文を読んで、私はすぐさま万年筆に惹かれた。
 高校生の時に心酔していた作詞家*1の言葉である。私は彼の、聴き手を撃ち抜こうとするかのような力強い言葉が好きだった。それから程なくして、私は一本の万年筆を買った。LAMYという欧州のメーカーのものである。
 当時の私は、漠然とした不安から、絶対的に信頼できる何かを欲していた。その中で大好きだったのが本だった。インクで刷られた言葉はいつまでもそこに在り続ける。次第に、私も言葉を大切にしたいと思うようになった。その頃に目にしたのが冒頭の一言である。万年筆を使い続けることが言葉と真摯に向き合うことになり、その言葉はやがて自分を支え続ける柱になるのではと感じた。高い買い物ではあったが、迷いはなかった。

 そのLAMYの万年筆は、今でも筆箱の中に入っている。日々の呟きや板書メモのみならず、大切な友人への手紙や祖父への最期の手紙など、たくさんの言葉をこの万年筆で遺してきた。言葉を信じたがっていた私は、今では言葉を扱う仕事を任されるようになっている*2
 私にとっての万年筆は、宝物というより相棒に近いのかもしれない。しかし、万年筆を買った事で得た経験や考えは手放しがたいもので、宝物に違いない。
 万年筆は今のところ、一度も不調になることなく活躍し続けている。

 

自分の言葉に対する考えの変遷みたいなものを初めて文章にしました。限られた時間で思いつくままに書いたせいか、すごく荒々しい文章。
でも先生に「清潔で力強い文章」と評価してもらえたことが本当に嬉しかった。自分が目指すところだったので……。
字数の関係で詳しく書けなかったけど、LAMY サファリの2015年限定色を使ってます。

*1:この人のこの文章です。

*2:大学で編集やライターの仕事をもらうようになりました